今回はFCフォークリフトの最先端メーカー、株式会社豊田自動織機トヨタL&Fカンパニー様にお話をお伺いしました。
取材にご協力いただきましたのは、FCフォークリフトの普及に取り組まれている営業統括部FC推販室室長さまです。

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  高浜工場ロビーに展示されているFCフォークリフトです。

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  座席を持ち上げるとFCユニットが見えます。

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  空港で利用される旅客機牽引車のコンセプトモデルも同ロビーに展示されています。

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  トヨタ自動車様元町工場にてFCフォークリフトの充填にご利用いただいているHYSERVE-30です。

それではお聞きした内容をご紹介いたします。

大阪ガスリキッド(以降、O)：本日はご協力いただきありがとうございます。早速ですが国内におけるフォークリフト全体のマーケットとトヨタ様のシェアについてお聞かせください。
豊田自動織機(以降、T)：2020年の実績ですと国内のフォークリフト市場は電動式・エンジン式合わせて約8万台ほどあり、そのうちトヨタL&Fが約54.1%と国内No.1シェアを獲得しています。フォークリフト販売割合は、電動式の割合が64%、エンジン式が36%と電動式の割合が高く推移しています。
弊社では、2.5tと1.8tの2機種のFCフォークリフトを販売しています。導入価格はまだまだ高いですが、国や自治体の補助金を活用することで、導入しやすい地域もあります。

O：電動式に対してFC式の利点はどのようなことがあるのでしょうか。
T：電動式の場合、稼働時CO2は排出しませんが、一般的な車両では、バッテリーの充電に６～８時間程度かかります。また、連続して稼働する場合は、予備バッテリーを準備し、交換するなどの対応を頂いています。
FCフォークリフトは、稼動時にCO2やNOxなどを排出しない優れた環境性能と、わずか3分程で燃料充填が完了するなど高い利便性を誇ることから、お客さまの物流ニーズにお応えする新たなフォークリフトとして将来性を有しています。
また、外部給電機能を標準装備しており、災害などの非常時に電源としても活用可能です。

O：国内での導入実績と導入にあたっての課題を教えてください。
Ｔ：国内導入実績は2021年度末時点で400台程度です。2030年までに、累積1万台の普及を目指しています。導入にあたって水素充填に必要な水素インフラの整備が課題としてあります。水素を充填するには、大きく2つの方法があります。一つは、事業所外で作られた水素を事業所内に輸送してきて圧縮充填するオフサイト方式です。二つ目は、事業所内で水素を製造して圧縮して充填するオンサイト方式です。それぞれ特色があり、FCフォークリフトを導入される事業所に合わせて検討が必要ですが、トヨタ自動車(株)元町工場さまではFCフォークリフトの水素充填用として、大阪ガスリキッドさんのHYSERVE-30×2台が使用されていますね。安定的に稼働していると聞いています。

O：FCフォークリフト以外にカーボンニュートラルに貢献する車両はどのようなものがありますか。
T：FCVのほかに、代表的なものはFCバスがあります。昨年の東京オリパラ2020でもトヨタ自動車のバスが導入され、トヨタのFC車両技術が、広く世界に情報発信されました。弊社では、空港でのコンテナ貨物牽引に使われるトーイングトラクターについても、FC化の取り組みを進め、2020年2月よりセントレア空港にてFCトーイングトラクターとして実証試験を行いました。

O：今後のFC関連製品の開発の方向性をお聞かせください。
T：現在、第二世代FCフォークリフトの開発を進めています。FCシステムのコスト低減と耐久性の向上を図ることで普及を進め、カーボンニュートラルの取り組みの１つとして、貢献していきたいと考えています。

Ｏ：当社ならびにDaigasグループに期待することがあれば、お聞かせください。
Ｔ：ＦＣフォークリフトの普及には、事業者様が水素インフラを準備する必要があり、安定的かつ経済的な水素の供給が不可欠です。ＨＹＳＥＲＶＥによる工場内での水素供給は有望で、水素インフラ整備をワンストップでお任せできるDaigasグループ様には大いに期待しています。

O：貴重な情報をお聞きすることができました。本日は誠にありがとうございました。

＜HYSERVE-30の概要＞

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• 機種	HYSERVE-30
  水素製造能力	30m3N/h
  原料	都市ガス(13A)、LPG
  水素純度	99.999 vol%以上
  水素供給圧力	0.70MPaG以下
  設置スペース	一体型パッケージ 3,600W×2,000D×2,950H

引用先：https://clicccar.com/2018/04/27/583568/

　大阪ガスリキッド株式会社では、都市ガスから高純度の水素を製造する装置「HYSERVE」の設置と保守メンテナンスを組み合わせたイニシャルレスのサービスを展開しております。
　当社の保守契約を締結いただいているお客様では、各部の温度や流量、圧力などをリアルタイムにデータ収集しています。過去に経験したトラブル時の異常データと同様のトラブル予兆を検知した場合はその値を傾向管理することで、所定部位が故障する前に交換・整備を行うことで突発停止を開始しています。
　さらに、当社では保守契約締結顧客向けにAIシステムによる異常予兆検知システムも運用しています。AIに正常時の製造運転データを学習させ、そこから外れることで異常予兆を検知するため、過去に経験したことがないトラブルを検知できます。
　約20年にわたる装置運転ノウハウにより検知できる経験トラブルの予兆とAIシステムの活用により検知できる未経験トラブルの予兆、新旧両面の技術活用を行い、お客様により安心して装置をお使いいただけるサービスを提供しております。

大阪ガスリキッドでは、HYSERVE実機のご見学を随時募集しております！
「オンサイト式水素製造装置に興味はあるけれど、本格的に検討する前に一度装置を見てみたい」等、ご興味があれば是非一度お問合せ下さい！！

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大阪ガスリキッド株式会社　水素ソリューション部